日本の世界遺産「原爆ドーム」

アジアの世界遺産

本ページはプロモーションが含まれています

世界遺産 原爆ドーム

原爆ドームとは?

原爆ドームは、1945年8月6日8時15分に広島市に投下された原子爆弾の悲惨さを伝える建造物です。広島平和記念碑とも呼ばれております。

被爆前は広島県のさまざまな物産を展示するための広島県物産陳列館として建てられ、戦時中から原爆投下時までは広島県産業奨励館と呼ばれておりました。ユネスコの世界遺産に登録されており、平和を訴える記念碑として現在も保存されています。

名称原爆ドーム(広島平和記念碑)
日本
登録区分世界文化遺産
登録年1996年

原爆ドームが世界遺産に登録された理由

1992年9月、日本が世界遺産条約に参加したことを契機に、原爆ドームが世界遺産に登録されるべきだという声が日本国内で広がりました。この動きに応じて、広島市議会は「原爆ドームを世界遺産リストに登録することを求める意見書」を可決し、広島市は国に対しても要望書を提出しました。

1993年に入ると、原爆ドームの世界遺産登録を求めるための国会請願が行われ、全国的な署名運動が展開されました。地域全体での協力により、国は1995年6月に原爆ドームを史跡に指定し、その後9月には世界遺産として登録するよう、世界遺産委員会に推薦しました。1996年12月には、原爆ドームが「人類史上初めて使用された核兵器の悲劇をリアルに伝え、核兵器廃絶と世界の恒久平和の大切さを呼びかける人類共通の平和記念碑」として、ユネスコの世界遺産一覧表に正式に登録されました。

負の遺産 原爆ドーム

原爆ドームは、広島市に残る負の遺産の象徴と言えます。これは、第二次世界大戦末期の1945年8月6日、広島市に投下された原子爆弾によって被災し、その爆風や放射線により甚大な被害を受けた建物です。

原爆ドームはかつては広島市の文化財であったが、被爆の悲劇を後世に伝えるために保存され、後に世界遺産として登録されました。この建物は、核兵器の使用によってもたらされる人道的な苦しみや犠牲を象徴しています。同時に、その姿勢は核兵器廃絶への強いメッセージを発信しており、負の遺産としての位置づけが強調されています。

原爆ドームは歴史的な出来事の証人であり、現在もその姿が残ることで、核戦争や核兵器の使用に対する警告となっています。その存在は、人類が直面する危険性と、平和への願いを背負った象徴として、広く認識されています。

「負の遺産(Negative Heritage)」とは、歴史上の出来事や文化的な遺産の中で、その影響が否定的で痛ましいものと見なされる要素や事象を指します。これは、災害、紛争、人権侵害、犯罪などが関与する場合があります。負の遺産は、歴史的な出来事や文化の一部として遺されたものであり、しばしば後代に影響を与え、社会的な記憶に残るものです。

世界遺産登録基準

(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

wikipediaより引用

原爆ドームの保存活動

原爆ドームの保存活動は、広島市民や関係者の熱心な取り組みによって支えられました。

  1. 市民団体の協力
    広島の市民団体や歴史研究者、建築家などが中心となり、原爆ドームの保存運動が展開されました。これらの団体はドームの歴史的・文化的な価値を理解し、保存を求める声を高めました。
  2. 市への寄贈
    原爆ドームが市の所有となる前、倒壊の危険にさらされていました。市民たちは危機感をもち、個人や団体が無償でこの建物を市に寄贈しました。この寄贈によって、市がドームを保存し続ける土台ができました。
  3. 保存委員会の設立
    広島市では、原爆ドームを保存し、平和の象徴として維持するために、専門の保存委員会を設立しました。この委員会は建築家や文化財の専門家から構成され、ドームの修復や保存に関する重要な意思決定を行いました。
  4. 修復作業
    原爆ドームは長年の風雨や老朽化によって損傷が進んでいました。保存活動では、損傷した部分の修復や補強が行われました。これは建築の専門家によって慎重かつ科学的に進められました。
  5. 世界遺産登録への努力
    広島市は原爆ドームが世界遺産に登録されるために積極的な努力を行いました。その一環として、保存活動の充実や国際的な認知を促進するための啓発活動が行われました。

これらの取り組みによって、原爆ドームは広島の平和記念公園内で、核兵器の被害を象徴し、平和への願いを訴える象徴的な建造物として保存され続けています。

平和にまつわる施設

原爆ドームの姿

原爆ドームは被爆当時の建物の廃墟として保存されており、その風化した状態が戦争の痛みや被害を直接感じさせます。一方で、建物の一部が残る美しさとも言えるシンボリックな存在が、多くの訪れる人々に深い感銘を与えています。

平和公園

原爆ドームは、平和公園の一部として位置しており、園内には平和のための様々なモニュメントや記念碑があります。特に、原爆慰霊碑や平和の鐘、原爆の子の像などがあり、被爆者とその家族への尊重と共に、世界に平和への願いを発信しています。

平和記念資料館

原爆ドームの近くには平和記念資料館があり、被爆体験や原爆投下の経緯などが展示されています。これらの展示は、被爆の実相と平和の重要性を理解するための貴重な情報源となっています。

まとめ

人類史上初めて使用された核兵器の悲劇をリアルに伝える建造物

・負の遺産

・平和への願いを背負った象徴